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「日本沈没」と「復活の日」 エッセンシャルワーク④
「日本沈没」と「復活の日」は小松左京のベストセラーSF小説であり、映画化もされこちらも大ヒットした。そして「日本沈没」はリメイクされテレビドラマで放映中であり高視聴率をとっている。
地表は10数枚のプレートで被われているが、そのうち日本列島では4つのプレートの接点になっている。プレートは常に動いておりこのため日本列島は地震や火山噴火等地殻変動が長年にわたって多発している。また直接列島が乗っているユーラシアプレートと北アメリカプレートとの境界は糸魚川静岡構造線となっており、ここで以前に列島は東西に割れ、その後フォッサマグナとして海底が隆起して日本列島ができた。またユーラシアプレートとフィリピンプレートの圧力により西側は中央構造線で南北に分断され、噴火や地震等の多発地帯となっている。
そして日本列島そのものがこのプレートの動きによって隆起し造られてきたのが、今度は逆にプレートの動きによって沈没していくというストーリーになっており、火山の噴火が活発になり、阪神、東日本と大地震が続き、近々関東や南海、東南海地震が予想されている現在、リメイク版が登場するのは意味があるのかもしれない。
話は変わるが、経済面、社会面では日本の国際社会における地位はこの20~30年で大きく低下している。80年代当時は一人当たりGDP・生産性や給与水準は世界でもトップクラスだったのが、今では給与水準は世界22位と韓国にも抜かれ、生産性も30位以下というように低迷、沈没している。
AI,IoTやバイオ等先端技術では後れを取り、以前は先頭を走っていた家電や半導体、太陽光発電等環境技術でも追い抜かれ、国際競争力が低下し貿易赤字が常態化しつつある。
科学技術の基となる研究者の数や論文数もどんどん抜かれており、初等中等教育の面でも学力は低下している。原因となる制度的な問題では、国立大学の法人化や、短期的な成果主義による研究者の疲弊、研究ポストの減少による短期雇用(非正規)の増加等が挙げられる。そして小中学校では知識偏重で考えない教育、検定教科書と学習指導要綱でがんじがらめの教職員問題等、管理しやすい人材づくりの過去の習慣がなかなか変えられず、問題は先送りされ一向に解決していかない。
こうした問題はコロナ危機での医療制度の改革や、補助金等の経済支援の問題でも露呈しており、気候変動では化石賞を今年もとっている。このままでは経済面社会面でも日本はますます「沈没」し、世界から相手にされなくなるかもしれない。
沈没から浮上し、「復活」していくためには何が必要だろう。
コロナ危機や気候変動への対応、戦争や格差貧困、AI,DXや仮想空間、遺伝子活用や原子力問題等々、現代は大きな変革期にあり、同時に危機の時代である。過去の常識や習慣が通用しなくなっている今は大きなチャンスの時代でもある。周回遅れで世界の真似をするのではなく、問題を先送りせず正面から向き合い、根本的本質的に物事を考え、生活や働き方、文明そのものを変えていく勇気が問われているのではないだろうか。
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