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テレワークと社会的距離 アナログとデジタル
緊急事態宣言、自粛が解除され、新しい日常、ニューノーマル新常態が始まりました。生命の保護と経済の保護の2つの目的の達成、ウィルスとの共生時代にどう対処するかが問われています。コロナウィルスの全貌が明らかにされ、ワクチンや特効薬が開発されるまで、感染症の防御のためには、隔離政策が基本となることは奈良時代の昔から、現代でもそんなに変わりはありません。
今回の感染も、飛沫感染、接触感染が原因なので、これを予防するために、個人的レベルでは、マスク、手洗い、消毒、ソーシャルディスタンスの確保により人と人との感染を防ぐことが基本です。
また経済活動を行う企業レベルでは、こうした個人レベルでの習慣の変容を業務の中でどう行うのか、顧客や取引先、社内の人との接触にどう対応するか、そしてこうした課題を含めて業務内容やビジネスモデルそのものの再検討が必要となってきます。
この対策としてテレワーク、在宅ワークが試行されており、大企業では90%、中小企業でも半数位が取り入れていますが、これも業務内容自体によって適否が分かれます。テレワーク・在宅ワークが向いている業務として、情報のデジタル化が進んでいる、個人の自己完結型業務である等が挙げられます。この理由の一つはAIの活用、自動化も含めてデジタル化は対面的な人間関係を前提にしないこと。もう一つは仕事・業務に対する個人の自立が条件になるからです。
この2つの条件を満たすには、デジタルとアナログ双方における人間の進化が必要です。つまりこれまで会社でやっていた仕事を単に在宅に移すだけでは不十分だということです。在宅ワークにすることのメリットとして、業務の見直しをすることによってその業務の本質が明確になり、不要なことをしなくなって効率化したことが挙げられます。これはデジタル化の進展を業務改革を可能にする人間の能力がリードしていたからです。
緊急時には業務を速く遂行するためには、平常時と違った仕事のやり方をすることが必要です。速くかつ必要十分なことをするためには、その業務の目的、本質を明確にしなければなりません。日本政府の対応が遅れるのはこれができないからですが、企業でも同じことです。このためには慣習に縛られるのではなく、分析的デジタル的な方法と総合的アナログ的な方法を統合して、人間が自立して考えることが必須です。
またこれはAIとの関係についても言えます。人間がAIに管理されるか、人間がAIを使いこなすかの違いです。人間の中での論理的能力と感覚的・直観的能力の関係でもありますがこれらの能力の真価が問われます。デジタルかアナログかではなく、両方を同時に働かせることが必要です。専門的見解と総合的判断の関係ともいえるでしょう。
政治・社会が専門家の見解をいかに理解し、合理的で明確な判断基準を持って行動し、透明性公開性を持てるかということでもあります。
コロナ危機の対する緊急対応時の行動、新しい日常生活、ニューノーマルをどう生きていくかが、ウィルスと安定的に共生するコロナ後の世界の基盤となります。
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