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メタバース(仮想空間)と現実
メタバースは「メタmeta超越」と「バースverse宇宙」の造語であり、verseはmulti-verse多元宇宙などでも使われている。メタバースは一般的には仮想空間、VRバーチャル・リアリティとも言われ、仮想空間、仮想現実の世界でアバター・分身を通して行われるもう一つの現実、行動、仕事と言われている。
先進資本主義諸国では、モノやサービスの需要、生産が飽和し、新たな市場開拓の場として、このメタバースの世界が注目を浴びている。
バーチャルvirtualの語源はラテン語の「男らしさ」を意味する言葉であり、これが「目に見えないがあるもの=事実上の」という意味になった。したがってリアリティreality現実、事実と同じような意味がある。バーチャル・リアリティというと仮想空間、仮想現実と言われるが、人が事実だと思い込んでいる、頭の中だけの観念上の現実、ある種の「思い込みの現実」と言える。
VR仮想現実、サーバースペース電脳空間といった世界であるが、これはある意味ゲームの世界やSNSの世界と同じようなものかもしれない。ゲームの世界やSNSの世界に入り込めば、そこがすべての世界のように感じられ、生身の人間の感性が失われていく危険、ゲーム中毒や依存症、その他の病気のリスクが高まる。
VR機器を装着して24時間その中に居れば、その世界が現実の世界と思い込んでしまうかもしれない。更にこの機器が進化し、装着していることも忘れた時、映画「マトリックス」の世界のような状況になり、多くの人々がそこで暮らすことにならないだろうか。そこが快適な空間であればあるほど。
ゲーム中毒、麻薬のようなSNS、スマホ脳等人間の身体、心と体の健康が損なわれ、精神障害や体の病気になる危険性が増大する。心と体は連動しており、特に心の持ち方、考え方は体に影響を与える。薬でないものを薬として与えるとそれを信じて病状が改善されるプラシーボ効果とか、その逆のノーシーボ効果もある。
偽薬であるのにその副作用を信じて実際に副作用が認められたり、極端な場合には、病気でないのに医師の誤診から、がんと信じ余命宣告通り死んでしまったりする等の現象が発生している。
昔から、「病は気から」という言葉があるように意識の重要性が再認識されている。
最新の脳科学ではこうした「思い込み」の力はふつう思われている以上に強く、この思い込みを、楽観的に思い込むか、悲観的に思い込むかで結果は大きく変わってくる。しかし単純に楽観的に考えれば良いというわけではない。楽観的過ぎると、問題・リスクを軽視し対策を打たなかったり、悲観的に考えて対策をとって助かる等、適度なバランスが必要である。
このような「思い込みの世界」は「メタバースの世界」ともいえるだろう。人類はある意味自然から離れて、仮想空間ともいえる世界、文明社会を創ってきた。人類の欲望・目的の達成、思い込みが、これまでの歴史を創ってきたが、この目的、思い込みを修正し、自然的、社会的環境の変化に対応することがいま問われている。
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