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我流から個性の発揮へ
9月の働き方改革シリーズでは社会的なコスト意識の必要性と、マニュアルに従うだけの仕事のやり方のリスクについてお話ししました。今月はこのマニュアル・標準化との関連も含めて、一人一人違う個人の仕事のやり方について考えていきます。
機械のラインに従って物を組み立てるような仕事、また単純な事務作業のようなだれがやっても同じ結果になるような仕事は別として、その他の多くの仕事は個人ごとの仕事のやり方が違い、そしてその結果も(場合によっては大きく)違ってきます。これは個人個人、能力や性格、考え方、経験が違い一見個性が違うからと片づけられることも多いかもしれません。しかしそうでしょうか? 個人的な仕事のやり方の違いを、我流とか、個性的なやり方と言いますが、この違いは何でしょうか?
我流とは、自分勝手な流儀、独りよがりという意味があり、他人の意見を聞かず勝手に物事を進めます。これに対して個性的という場合は他の人々と比べて違っているという意味であり、他者や一般的なやり方も視野に入れています。
英語でも個人Individualは「これ以上分けられない」という意味であり、分ける前の全体の集合を前提としています。これに対して私・我Privateは「他から隔絶された」が原義であり、他を排除する意味になります。
周りの情報を遮断して自分の思い込みにより仕事をすれば、ピント外れになり、他者・顧客が本当に欲するもの、商品サービスを提供することはできず、成果は上がりません。これを他人のせいにして反省改善せず、したがって成長進化しないのが我流の特徴です。
このため仕事の品質を一定以上に保つため、標準化、マニュアル化がなされます。このマニュアルに従って行えば、通常は我流で行うよりはよい成果を上げることができるでしょう。しかしこのマニュアル化もこれを我流で解釈したり、想定外のことが起こると、成果を上げるどころか、逆に損害を与え、周りに大きな迷惑を与えることにもなります。
マニュアル化、標準化は、本来その仕事の根幹・本質を示し、仕事を支援するものですが、単なる表面的な理解で、我流で解釈し実行すると大きな失敗にもなります。
個性的な仕事の仕方は、この標準化・本質を理解し、臨機応変に応用し、それを最大限に活かすために自分の強み・個性を発揮することです。
例えば走るという行為でも、一流の選手はそれぞれに個性的な走りでも、体の使い方、重心や軸、筋肉の動き等は理に適ったものになっており美しいものです。これに対して我流の人は見た目にも基本ができておらず、パフォーマンスも上がりません。
これからAIの時代に入るとこの個性を活かすことはますます重要になってきます。AIは標準化をますます推し進め、より高度で複雑な作業ができるようになります。そのAIを使いこなすためには、一人一人違った個性を持つ人間にしかできない仕事をする必要があり、それが標準化・本質を超えた作品を創り出す個人の能力の開花です。
我流を生み出す固形観念や自己中、プライドを捨て、閉じた自己を開放し、謙虚に周りの世界を理解し、感謝し行動することで、隠されていた個性は花開くことでしょう。
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