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戦争とコロナ危機 情報と武器
コロナ危機は戦争に例えられることがあります。8月6日と9日、広島、長崎の原爆の日、8月15日の終戦記念日と8月は戦争を思い起させる時期です。今回は戦争と類比してコロナ危機を考えていきます。
戦争で重要なのはまず情報です。味方の状況、相手の状況を知り、どのような戦略でどう戦闘をしていくか。これは戦国時代の戦いでも、また動物同士の戦いでも同様でしょう。75年前に終わった戦争で、この情報に関して有名な言葉で「大本営発表」があります。大本営とは陸海軍の総司令部であり、その戦況発表を大本営発表と言います。
初期は割合正確に発表されたと言われていますが、大敗北したミッドウェー海戦(1942年6月)の発表から戦果の水増しが始まり、以降は戦況の悪化に関わらず、虚偽の発表を行ってきました。それが転じて、権力者による信用できない情報を批判する慣用句として使われています。
1941年12月の真珠湾攻撃からアメリカを中心とする連合国との太平洋戦争が始まりますが、その当初は連戦連勝してきたと言われています。特に真珠湾攻撃では大きな戦果を挙げてきたと言われていますが、この作戦の当初の目的は、アメリカ太平洋艦隊の中核の航空母艦・空母艦隊を壊滅させることでした。しかしこれには失敗し、他の艦船や航空機を破壊しましたが、アメリカ軍の空母からの反撃を恐れて予定していた第2波の攻撃もできず退却することになりました。
また攻撃する前に予定していた宣戦布告も遅れて、攻撃の1時間後にしかできず、このため卑怯な騙し討ちとなり「リメンバー・パールハーバー」として、当時戦争に積極的でなかったアメリカ国民を一致団結させることにもなりました。アメリカが日本の暗号を解読し、攻撃も事前に知っていたことが後に明らかになり、この攻撃は戦略的にも、軍事的にも成功とは言えないものだったことが後の資料から分かってきました。
情報の入手、加工、公表のすべての面で問題だったことが分かります。
また武器に関しては「竹やり作戦」が有名です。これは戦況が不利になり、また資源不足や工場の爆撃破壊等により、通常の武器も作れなくなり、このため竹やりでB29による本土爆撃や本土決戦に対抗しようとし、一億玉砕へと進んでいきます。
今回のコロナ危機に対しての「情報収集、分析、公開」はどうでしょうか? 情報収集のために不可欠な検査体制、議事録がなく情報の蓄積ができない専門家会議、分科会。専門家会議から分科会へ変更の理由や、各組織の権限、責任等の不明確さ。公表されている情報は必要十分で操作されていないか等。情報という視点から見て課題は多く早く・速く対処する必要があります。
また「武器」として人工呼吸器、ECMO、病棟、医療専門家等の整備はどうか等を考えると、心もとない部分があります。日本の今の工業力から見れば整備は十分可能なはずですが。我々は歴史に学び戦争の教訓を活かしているのでしょうか。
本来はコロナとも戦わないで済むのが一番良いのですが。
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