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災害と働き方改革 エッセンシャルワーク
残暑お見舞い申し上げます。
梅雨明けの時期になると、毎年豪雨による災害が繰り返されます。毎年のようにどこかで発生する被害を減少させることはできないのでしょうか? 防災対策には事前の予防策、直前及び進行中の避難対策、復旧対策に分けられます。直前対策については警戒レベルが分かりにくいものの、ある程度整備されてきたようですが、事前予防や災害時の避難の介助、復旧対策については諸外国と比べても大きく遅れているようです。
熱海の土石流では人災または犯罪と言ってもいいような原因から起きました。川の上流の沢地で盛り土をし、産廃の不法投棄までするという素人でも分かるようなリスクを、県や市も知っておりながら防止できませんでした。
気候変動で今年はまた梅雨が2回来るという異常事態になり、線状降水帯の発生が常態化してきた等の変動が進み、世界的にもドイツ、ベルギー、中国、オーストラリア、アメリカ等の水害、また50度近い猛暑・熱波による山火事の多発でイタリア、ギリシャ、トルコ、カナダ、アメリカ等も大きな被害になりました。
こうした災害をもたらす原因が「人新世」と言われ人間の行為によってであるということが科学的に証明されたと、国連の機関であるIPPCは今年初めて断定しました。
気候変動への対策と言われる脱炭素、SDGs、ESG投資等の動きは、日本でも遅まきながら始まりました。しかしこれを実現するためには大きな壁、多くの課題を克服していく必要があります。
先程の熱海の土石流の原因についても、解消できなかったのはいくつかの要因がありました。一つはいつも言われている縦割り行政。森林伐採や国土造成等に関して、農林水産省、国土交通省、経済産業省、環境庁等に権限が分散し、機能不全で適格な対策が打てないこと。二つ目は国、県、市町村、民間のピラミッド型の権力構造。現場の声が反映し難く、対策が後手後手で改善・実行できないこと。更にこれが根本的な問題ですが、それぞれの当事者が本気でこれらの問題を解決していこうという意識が乏しいことです。
事なかれ主義、忖度行政、無責任体質、視野の狭さ、縄張り意識等々。残念ながら仕事本来のミッションを発揮できないシステム、意識になってしまっています。コロナ対策にしても、もう1年以上前から医療機関の整備等同じような課題が指摘されながら実施できず、感染者数も今では世界の5番目位にまで増えてきました。
本当にこのままではこの国は衰退への道をまっしぐらに行ってしまうかもしれません。今こそ仕事の内容を全面的徹底的に見直し、エッセンシャルワークというように物事を本質からとらえ、無駄なことを徹底的に省いていかないと、枝葉ばかりで複雑になり、生産性も落ち、本当に必要なことが見えず、改善できないのではないでしょうか。
働き方改革は表面的な労働時間の問題ではなく、もっと広い視野で、世界から学び、歴史から学び、仕事の内容そのものを再定義していく必要があります。環境問題、戦争、格差等問題は山積みされており、無駄なことをしている余裕はありません。
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