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生産性向上・MQ/H
先月までは働き方改革の本質は、働くこと・働き方自体の改革であり、そのためには生産性の向上が必要であること。そして生産性の向上のためには個人レベル、企業レベル、地域、国家レベルまでの連携した改革が必要であると述べてきました。
今月は特に企業レベルでの生産性向上について考えます。生産性は通常1人当たりの年間付加価値で表されます。ここで付加価値をMQとすると、MQ/人です。1人当たりの年間労働時間は人によって異なりますが、働き方改革の目的として長時間労働の解消がありますので、年間労働時間は減る傾向にあると考えられます。
年間の労働時間が減っても生産性を上げるためには、時間当たりの付加価値MQをあげる必要があります。生産性を時間当たりで見ることによって、年間の合計・どんぶり勘定ではなく個々の仕事の内容の分析ができるようになると共に、年間の労働時間の計画もできるので1人当たりの生産性の見積もりも可能になります。したがって生産性の指標として時間当たりの付加価値を採用することが重要です。
このMQ/Hを上げるためには、同じMQを上げるためのH・時間を減らすことが考えられます。これは普通の、経済的でなく生産性を考えるときの一般的な考え方とも一致します。このための方法は一言で言えば「無駄を省く」ということです。
無駄な動き(人、物、工程等)を省く。その商品、サービスから必要のない機能、部分等を省く。これを個人レベル、部門レベル、商品サービスレベル、全社レベルで検討していきます。そして具体的な問題点・課題が明らかになったら、その課題解決のためにどのような方法で実行していくかの計画を立て、実施していくことです。計画し、実行し、評価し次の改善に結びつけると言うPDCA管理はこの生産性アップには特に有効でしょう。無駄を省いた動き・働き方は美しいはずです。
次にMQ/Hの分子の部分、付加価値自体を上げるという課題があります。時間を減らすのは社内だけでできますが、付加価値自体はお客様との関係、又は仕入先等取引先との関係が入ってきます。MQは売上-変動費なので、商品価値を上げて売上を増やすか、仕入を減らすかです。仕入は売上商品に連動するので、商品価値を上げることを考えます。
商品にもライフサイクルがありいつまでも続くわけではないので、現在の商品サービスを改良したり、新商品を開発していく必要があります。このためにはこれまでの常識を超える新しい発想、想像力、創造力が必要になります。異質のものから学び、取り入れ、自分が持っていたものと合体して変換していく能力です。多様性、少数意見の尊重。
またスポーツ選手も昔は頑張ることにより結果を出したと言っていましたが、今は殆どいかに楽しめたかによりパフォーマンスを出すと言っています。仕事も同じでいかに楽しむかが重要ではないでしょうか。楽をすると言う楽しみ方ではなく、いかに全力を投入して自分の可能性を発揮できたかと言うことです。そのためには仕事に意義を見出す、意義のある仕事、自分が欲しい商品サービスを開発することが大切です。
これは同時に時間短縮にもなり、全体的な生産性改善、働き方改革になることでしょう。
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