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第3波への備えと経済構造の転換 「武漢日記」と免疫力
猛暑の夏も過ぎ、秋らしい季節となってまいりました。コロナ禍は日本ではGo Toキャンペーンを実施しながらも小康状態を保っていますが、ヨーロッパでは再拡大をしており、秋冬のウィルス活動期に備えて今はその準備のための大切な時期です。
ところで、武漢在住の作家、方方によって書かれた「武漢日記」が発売されました。新型コロナウィルスの発生の地、武漢の封鎖下の60日間の記録が、検閲による削除を受けつつも、生々しく封鎖の中で起こったことを内側から伝えています。この日記はブログで毎日深夜0時に更新され、数千万人もの人々が読んでいたと言われています。
この日記には日々の日常生活の中での出来事、情報、感じ考えたことを率直に伝えており、悲惨な現実とともに、人々の勇気ある行動、協力、希望を記し、魂の記録とも言われています。学ぶべきことも多いと思いますので参考になりそうなことを列挙していきます。
・多くの犠牲者を出した原因は、情報公開の不徹底、初動の失敗はあるが、直接的には医療崩壊が起こったからである。
・崩壊から立ち直ったのは、感染者を漏れなく、重症感染者、軽症感染者、疑似感染者、濃厚接触者の4つに分け、それぞれ指定病院、仮設病院、隔離用ホテル、ホテルや学校等の隔離用施設に完全に分類し隔離した事による。
・検査はPCR,胸部CT,抗体検査の3つを行う。
・西洋医療だけでなく東洋医学、漢方も効果がある。
・住民による自発的な組織を作って、日常の問題の解決(食料や日用品)に当たったこと。
・家族や友人、知人、同僚、関係者間での助け合い。他の地方、世界からの支援。
・ある国の文明度を測る唯一の基準は、ビルや車や、科学技術や芸術、軍隊、豪華さではなく、弱者に対して国や人々がどういう態度をとるか。
これに対し、1月からでも8か月以上たっているのに日本では、検査や医療体制だけでなく、情報開示、方針の明確化を含め、多くの点で準備が不十分であるように思われます。
また経済面では、感染症対策とともに、コロナ後の変化を見通した対策が必要です。新政権の政策は、デジタル化とともに、中小企業の生産性向上がうたわれています。具体的には地方銀行の再編や、生産性を上げるための中小企業の再編淘汰が挙げられています。中小零細企業にとってはコロナとともに大変厳しい状況が予想されます。
政府は、自助、共助、公助を基本とすると言っており、まず自分で自分を助ける、次にお互いに助け合う、最後に政府公的機関が助けるといった方針です。
したがって公助があまり期待できない以上、個人も企業も自分の力で、或いは協力して身を守らなければなりません。そしてこのためには具体的な事前準備も必要ですが、最終的には免疫力を高めることです。免疫力は体もですが心の免疫力も重要であり、感染症対策でも経済対策でも必要です。
何が起きても動じない心の持ち方、柔軟で大きく先を見る視野、常に前向きでゼロベースからの発想。こうした意識で日常生活、仕事に向き合い実行していくことです。
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