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顧客満足と目線の位置、管理システム 2009年4月
浅 野 良 裕
先月はお客様満足の4つのレベル、①初歩的な満足、②当たり前の満足、③期待以上の満足、④パートナー的満足についてお話ししました。このうちの初めの2つは基礎的で、社会常識として当然の満足なので、出来て当たり前、出来なかったらクレーム対象になりますので必ず達成してなければいけないレベルです。現実にはこの当たり前のことができていないケースも多いかもしれませんが。(なぜできないのでしょうか?)顧客満足というとき、よく「お客様の目線に立て」と言われます。これはお客様のニーズ、要望を理解してないと、お客様を満足させることができないからですが、目線に立つにはどうすればできるでしょうか?通常お客様と相対するとき、目線の方向は正反対を向いています。この正反対という意味は単に経済的な関係では、買う方は安く買いたい、売る方は高く売りたいということであり、数字やお金しか見えないとこのレベルでしか考えられません。お客様の目線に立つには、お客様と同じ位置に立ち、同じ方向を見ていかなければなりません。これは物理的には、同じ場所に替って立ってみればできますが、満足は心の問題なので、お客様の立場、心、価値観等をよく聞き出し、理解し、想像して行う必要があります。聞く力、理解力、想像力により、何を求めているかわかっていることが前提で、満足される商品・サービスが提供できるわけです。しかしお客様と同じ目線に立った場合、お客様が今求めている要求には応えられるかもしれませんが、期待以上の商品を提供することはできません。そのためにはお客様が潜在的に持っているであろうニーズを想像し、それを形にしていく必要があります。つまり今現在のお客様の目線だけでなく、それを超えた目線の位置が必要です。そしてこの目線の位置は、お客様と相対した時の180度違う方向性だけでも、お客様と同じ方向だけでもなく、お客様と自分を取り巻く多方面・多次元からの目線であり、商品の特性、本質、個々のお客様の顕在的・潜在的ニーズ、社会の動向等を知り、それらを統合していく視点・目線が必要です。つまりレベル②の当たり前の満足でよかった時代には、あまり目線とかも考えず、これまでの仕事のやり方の踏襲でよかったものが、まったく違った次元の方法が要求されます。普通、レベル②の当たり前の満足を満たす商品サービスを提供するためには、標準化されたマニュアルや管理体制が必要と言われます。同じものを作るのならそれが必要ですが、同じ種類の商品でも個々人のニーズが違って来ている現在、営業やサービス業では標準的なマニュアル主義や、規則・管理を超えた業務が求められます。レベル①、②、③は普通段階を追って、順番に進んでいくと思われがちですが、そうではなくてこれらはすべて同時に達成していかなければなりません。なぜならお客様の求めている満足がレベル③、④の段階にきているからであり、そのためには仕事のやり方、スタンス、頭や感性の使い方、組織や規則の作り方運用の仕方等すべてが変わる必要があります。
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