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能力開発と企業文化の変革 2009年7月
浅 野 良 裕
前回まで、顧客満足のレベルを上げるためには、それを可能にする人材の育成が必要であり、それはこれまでのような知識や技能、ノウハウの伝達だけでは不十分であり、自分から進んで問題を発見し解決していく本来人間が持っているはずの広大で繊細な能力を引き出すことが大切であるというお話をしてきました。以前に、健康な仕事をするための3原則として、①勉強する②考え実行する③素直で謙虚、高い目標を持つ、ということのお話をしました。これらができれば、仕事の本質が分かり、次々に改善・改革ができ、能力が進化し顧客満足も上がっていくはずです。しかし勉強しようと思っても計画通りにいかない、勉強の方法が分からない。考えているつもりでも考えが堂々巡りでちっとも進まずアイデアが湧かない。したがって自分に自信が持てず、素直にも謙虚にも高い目標を持つこともできないという、悪循環に陥っているかもしれません。人間の心理として、成長したい進化したいという欲求もありますが、同時に今のままでいたい現状を変えたくないという欲求もあります。また脳のシステムも、入ってくる情報のすべてを意識的には認識するわけではなく、そのごく一部を選択して取り入れます。その一部とは潜在意識の自分が取り入れたいものであり、普通は過去なじんできた同じような情報であり、親や家族、友人、学校、企業等から教えられてきたものです。したがって問題を発見しようと思っても、同じようなものしか見えないため発見できず、勉強しようと思っても、つい今までどおりの生活、仕事のスタイルになってしまいます。そしてこれは集団単位でもいえることで、企業により企業文化・組織風土と呼ばれる特有の価値観、仕事の方法考え方があり、これは文化が違う外部の人からは認識できますが、その中だけで育ってきた人には見えず、その思考方法、行動様式の枠組みから抜け出せません。つまり、生まれてから、特に親の思考や行動様式、学校、企業や社会の価値観、行動様式等が固定観念として、潜在意識に入っており、これがその人の考えや行動を造っているからです。そして行動の元になるのは単なる知識ではなく、潜在意識=知性であるからです。この状態を突破するには、その意識の状態の外に出て、自分の思考行動パターンを自覚するとともに、この潜在意識の固定観念自体を流動化し解体する必要があります。意識の外に出るためには、今の意識の範囲をはるかに超えた広大な時間と空間の領域(高い目標)に行く必要があり、また固定観念を流動化するためには、より繊細で精妙な領域に入り固定観念を分解して(アイデアが湧く、変性意識)いく必要があります。より小さく精妙な領域の方がパワーがあるのは、兵器で言えば棍棒より分子の世界のダイナマイト、原子の世界の核兵器の方が強力なのと同じです。(意識の地殻変動)より広い範囲から、より過去から未来への長い時間距離、多次元的な視点と、直観力・創造力の源である意識の精妙な領域。これらを同時に開発し個人や企業の文化を変革していくことが重要であり、このためにはアファーメーション、イメージ法、コーチング、呼吸法、瞑想法等、古代からの英知や最新の脳科学から学ぶことも効果的です。
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