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五次元的仕事術⑤~変革=創造と歴史~ 2010年12月
浅 野 良 裕
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という諺があります。普通我々は、自分の経験に基づいて、いろいろな物事を判断し行動することが多いと思います。これは特に変化がなくてもいい日常や、問題が起きていない時には良いのですが、企業のように常に新商品を開発販売し業務を改善する必要があったり、また問題が発生しこれまでの方法では解決できない時や飛躍的な変革が必要な時には充分でないかもしれません。個人の経験は限られており、過去に経験しなかったことが起きた場合には、同じような繰り返しが多いため、先人や過去の歴史から学べます。リーマンショックが100年に1度と言われたのも、世界恐慌の経験を活かそうとしたわけです。各国政府が膨大な財政出動や金融緩和をし、国際協調をして急激な恐慌的状況は避けられました。しかしギリシャ危機やアイルランド、ポルトガル、スペイン等々へ問題は未だ解決しておらず、発生源のアメリカやまた日本においても、まだまだ問題を先送りしているだけで危機が去ったとは言えない状況です。戦後、日本はアメリカをモデルにし、その歴史を追って経済成長を達成してきました。アメリカの歴史から学び、その自動車、電化製品等の商品、またビジネスモデルから学ぶことが企業が成功する大きな要因でした。工業化、情報化、金融化、しかし金融化で躓いた世界経済は、今新たなステージを模索しています。そしてある意味でこの最先端にいるのが日本です。新興国が成長しているとはいえ、これは日本の高度成長の時期にあたるものであり、最先端を切り開くのはアインシュタインも言ったように、極東の日出国・日本なのかも知れません。製造技術、環境技術、IT、クールジャパンと言われるような日本の文化等々、東洋と西洋の文化の融合点としての日本に対する評価は、経済力や教育面での評価の低迷も含めてこれからの日本の潜在的可能性を暗示しているように思います。歴史から学ぶということは、他者から学ぶということであり、このためには心を大きく固定観念をはずして無限大にまで広げる必要があります。100年に1度の恐慌の歴史だけでなく、数百年単位の江戸文化、ルネッサンス、数千年単位のギリシャ、ローマ、またエジプトや古代のインド、中国、そして縄文文化。今これらの文明、歴史の見直し、再評価が行われています。そしてさらに数十億年の生命の歴史、百億年以上前のビッグバン、遺伝子・生命学や量子論の進展は、そこまでの歴史的射程を可能にしてきています。しかし単純に歴史から学べるのは、同じような循環で物事が進む限りであり、新しいステージに上がるためには、さらに新たな視点、創造力が必要です。一次元のPDCAサイクルでも、改善改革実現のためには、固定観念の打破が必要でした。二次元の機能・組織の発生、時間管理、PQCD管理。三次元の階層構造、マネジメントの発生。四次元の歴史展開、戦略・構造改革。これらを更に進め、蛹から蝶への変容を推進する五次元領域とはどのような世界なのでしょうか?
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