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段取りと意識の覚醒(目覚め)~仕事と人生のレベルアップ~ 2011年10月
浅 野 良 裕
仕事で「段取り」は重要だと言われます。段取りで仕事の成果の80~90%が決まるという人もあります。段取りの語源は、歌舞伎から来たと言われています。「段」とは話の一区切り、また一幕のことであり、段取りとは芝居の筋や構成を決めていくことです。脚本、監督の構想・指示、俳優の演技等のイメージ、事前の稽古、実際の公演からの改善等、様々な要素を含んでおり、芝居や仕事の出来・成果の根底にあるものです。仕事で段取りを考える場合、PDCAサイクルのP・計画として捉えることが多いかもしれませんが、このように段取りとは、計画だけではなく、実行、評価反省、改善も含めたトータルな仕事の技能、考え方、ツールを含んだものと言えます。段取りはもともと、仕事や芝居の成果を最大限にすることが目的なので、それぞれの仕事ごとの目的・目標水準設定自体が重要です。この目標は芝居の表現したいもの、具体的な仕事の質、お客様の満足、感動であったり、満足度や時間当りの付加価値等多様な評価の尺度がありますが、常に仕事のプロセス全体をイメージ・意識し、基本構想・大局とともに、細部の気付き・表現も大切です。これらをイメージ、意識できないと、夢遊病者のように、行き当たりばったりで通常は良い成果を上げることは困難になってきます。芝居や音楽等での即興演奏でも、日頃からの意識的な訓練なくして、成果、感動や満足を提供することは困難でありましょう。先月、我々人類は自分自身のこと、宇宙のこと、社会や仕事のこと等を、まだ僅か4%程しか知っておらず、大半はまだ闇の中にあり、意識はほとんど眠っている状態であるというお話をしました。段取りをしないで仕事をすることは、仕事の本質・目的を考えないで、ただ惰性で、言われるままにしている状態と言えるかもしれません。肉体の目は開いていても、心の目は眠ったままの状態でいるということです。前例踏襲、言われたからやっている等の仕事のやり方です。たとえ指示された仕事を行うにしろ、その仕事の目的や本質を考えれば、必ず更に良い方法、改善改革が発見されるはずであり、仕事だけでなく他の生活面全てに活かせるのが、段取り上手と言えるでしょう。段取りをするとは、結果までのすべてのプロセスを意識化、イメージ化することであり、この意味で意識を拡張すること、眠った意識を目覚めさせることです。それはただ単に、個々の仕事だけでなく、多くの仕事の優先順位、人々の組織化、将来に向かってのライフワーク、趣味や人間関係、自然や健康、社会貢献等々全ての生活を統合し、それぞれにシナジー効果を発揮しより良い循環、進化への扉を開くものです。具体的な段取りの方法に関しては、目的や評価基準の設定方法、業務の全体管理、時間管理、情報管理、コミュニケーション管理、心身の健康管理、能力開発等多くの手法やツールがあります。眠っている意識とは、井の中の蛙、自分の思考パターン、パラダイムに捉われた意識であり、そこから抜け出て、日々新たな気付き、拡がる喜び、感動を得るのが段取りです。段取りとは意識の拡大・進化であり、段取りをマスターする時、仕事や人生は新たなステージに入り、そこではすでに段取りを超えているのかもしれません。
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