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段取りとは、経営改善である 2011年11月
浅 野 良 裕
先月は段取りを、主として意識の進化という側面から考えて来ました。仕事のすべてのプロセスを意識化、イメージ化することにより、新たな気付き、より適切な仕事の方法等が生み出され、仕事の改善、成果の拡大等が実現していきます。この段取りの改善は、個人の仕事レベルだけではなく、グループ組織や、企業全体の経営改善にも活用できるはずであり、今回はその視点から段取りを考えていきます。段取りを考える場合、まず第1に、仕事の目標、成果を明確にすることが重要でした。この場合、品質の質的レベルと、効率性、数字や時間のレベルの二つの基準があります。これは企業経営全般でいえば、経営理念や戦略的中期経営計画の策定の次元に相当します。企業の本質的な存続意義、ミッション、そしてそれを実現していくための戦略、体質改善、イノベーション・革新のための基本的方策、大枠を決めるレベルです。このレベルでは抽象的、本質的な表現が多くなりますが、この理念、目標は日々の具体的な業務の中で、個人個人の段取りを通して現実化していくことが重要です。またこのレベルでも、ある程度の数値目標も必要で、条件の変化によるシミュレーション・モデルの検討をすることにより、行動自体もよりイメージ化できます。所謂、経営改善計画はこのレベルから策定することが必要で、根本的な自社及び環境の現状分析、課題と目標の明確化、設定等を行います。そして第2に、成果を上げるための仕事のプロセス自体の分析、イメージ化がありました。これは「チャンク・ダウン法」とかを使って、業務を小さな単位に分けて細分化、分析し、それぞれの必要性とか手順を合理化すると共に、一つ一つの業務を確実にこなして実行していきます。これは企業経営のレベルでは、ビジネス・モデルの再構築、そしてビジネス・プロセスの改革の次元と言えましょう。第3に段取りでは、具体的なスケジュール管理、時間管理が重要でしたが、これは企業単位では、年度計画から始まる経営管理サイクル、PDCA管理に当たります。具体化、現実化し、評価、改善するプロセスです。第4に情報管理の側面がありますが、これは企業の情報システム、会計システムや、種々のノウハウ、マニュアル等、そしてツール道具としての意味では、固定資産全体の管理も含まれます。第5のコミュニケーション管理は、人事管理、企業文化、組織構成等に該当します。この4と5に関しては、中期計画や年度計画の構成部分でもあり、1~5まで、これらはすべて関係し合っており、全体のバランスも重要です。このように「段取り」は個人や小さい組織の問題だけではなく、企業経営全体を段取りという視点から観ることができます。そして、実際の仕事以外に「段取り」という工程を時間をかけて行うのが、仕事をより良いものにし、効率化するように、企業全体の段取りが効果的にできれば、企業全体の経営改善になるはずです。また経営改善ができたということは、新たなステージに立ったということであり、当初期待していた以上のレベル、視野、成果になっているはずです
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