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時間治療と宇宙のリズム 2012年4月
浅 野 良 裕
最近、「時間治療」が注目されています。これは同じ投薬等の治療でもそれを行う時間帯により、治療効果が劇的に違うということです。例えば、肝臓がんの治療で抗がん剤を通常の日中の時間帯に使っていても殆ど効果がなかったのが、夜の10時頃に使うと劇的な効果が出ると共に副作用も殆どないといったものです。この原因は体中の細胞に体内時計があり、1日の時間帯によって細胞の働きが変わってくるからとのことです。夜の10時ころからは細胞が再生する時間帯で、抗がん剤の副作用に対しても抵抗力が強まり、副作用が少なくなることによって薬の効き目も相対的に強くなり治療効果が劇的に改善されるということです。ピンポイントで投薬すれば、全体の使用料も少なくなり、効果は飛躍的に高まります。現在の診療体制では、夜や深夜の治療は難しいかもしれませんが、フランスなどでは投薬器具を患者に渡して自分で自宅で治療することにより、医療コストも下がり、治療効果も増し、患者の意識も向上するという一石何鳥もの成果を上げているようです。人間の生体のリズムは、思った以上に心身に影響を与えているのかもしれません。夜の10時から3時まで眠るのが良いと言われているのも、このような活動と休息のリズムが重要であり、日中の活動期とその疲れを癒すための、夜中の休息期・再生期では細胞レベルから働きが違うのですね。また人間の体内時計は25時間サイクルと言われており、朝日が当たることによりリセットされると言われています。体内時計・時間遺伝子ができた頃は地球の自転は25時間だったのかもしれません。太陽の光によってリセットされるのですから太陽の影響は大きいようです。人間のサイクルと言えばバイオリズムがあります。これは誕生日から規則的に、身体が23日、感情が28日、知性が33日のリズムで、活動・高揚期と停滞・再生期を繰り返すものです。このサイクルに応じて充電期、活動期にすると成長速度も速くなり、成果も大きくなると言われています。これは太陽の自転周期とも関係があるようですが、太陽や星々の変化はそのほかにも地球の気象や経済活動にも影響があると言われ、最近では太陽の動きを主とした宇宙天気予報もできています。以前韓国ドラマ「ホジュン」(中世の実在の医師、鍼灸師)の中で、治療時間を1日の時間帯だけでなく、星の運行から日日までを選んでいたことを思い出すと、当時は1日の時間帯だけでなく、何日、何カ月、何年ものサイクルで人体への宇宙の影響を感じ、考えていたのかもしれません。この観察から占星術が生まれたのかもです。先月の長寿遺伝子もそうですが、人間の身体に関しては、まだまだ未知の部分が多く、これから科学も更にどんどん進化していくものと思います。今の生活様式は人工的で、なかなか宇宙的なリズムでの生活は難しいかもしれませんが、最近の商品開発が自然から学ぶものが増えているように、できるだけ自然や宇宙のリズムと調和していきたいものです。一番身近な自然は自分自身の身体ですから。
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