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的とPDCAサイクルと想い 2012年7月
浅 野 良 裕
オリンピックのアーチェリーで日本の女子は初めて銅メダルを取りました。70m先の12.2cmの的に当てるのはかなり大変そうですね。そのためには、的に対する構え、目や手や弓矢の位置・方向、矢を引く力のバランス、全身の筋肉の状況等だけでなく、外部条件である、風の方向や強さ、温度や湿度等を感じ、矢の軌跡のシミュレーションをするとともに、矢が飛んでいくときの未来の変化も予知し放たなければなりません。後は運や天に任せ決断することでしょうか。結果を決める要素は、大半がこれまでの訓練の累積、その質によると思いますが、最後は目標を達成しようとする想いの強さ・純粋さによるのかもしれません。的と自分の意識が一体となった時、未来は現在の中にあり、当たるかどうかも直感的に分かっているかもしれません。意志、想いの重要性は日々の鍛錬の時点でもそうですが、最後の成就の時にはより一層効果的になるはずです。先月は、的に関して、的自身の設定の仕方、見方が重要であるとお話ししました。的である仕事の目標をどこまで深く考え、感じ、イメージしているかどうかです。企業活動の全体像を考えるとき、この的はお客様のニーズであり、矢は商品・サービスであり、矢を飛ばすまでの行為が実際の企業活動と言えましょう。お客様のニーズは、社会の変化とともに変化し、個人個人の顧客ニーズも年齢や環境の変化とともに変わっていきます。的自体の位置や大きさ、形も変化していくわけで、それらを想定しながら、矢を打っていく必要があります。そして矢を打つためには、多くの準備、活動が必要です。企業活動のほとんど全てと言っていいのかもしれません。企業活動、仕事のすべてを最も有効に、効果的にするための意識的経営管理手法にPDCAサイクル管理があります。計画―実行―評価―改善の仕事のサイクルを回すことですが、この全てのプロセスで的・目標と想い・意志がどれだけ明確で強いかが成果に反映してきます。ただ過去の実績、経験から計画をし、実行していてもなかなか成果は上がらず、評価も甘くなり、新しいアイデアも生まれず、改善も進みません。したがって我々は、PDCAサイクルとして仕事を考えるだけでなく、そのサイクルの真ん中に、Target目標を置いたTPDCAサイクルを提唱しています。このTはPDCAの全てと線で結ばれています。お客様への想い、仕事への意志が強く純粋であれば、細かいことにまで意識がいくでしょうし、改善のアイデアも湧いてくるはずです。自分の利害を超越した邪心のない純粋な意識、想いが重要です。結果は後からついてきます。そして自分の周りだけの点的、0次元的仕事でなく、流れの1次元、システムも入れた平面の2次元、階層構造も入れた立体的3次元、時間、未来も入れた4次元的仕事術まで進化させます。そしてこれらをすべて意識に込めて、個人レベルの今ここでの現実の仕事をする5次元的仕事術へと展開し、このネットワークとしての企業活動、地球的宇宙的な経済活動へと進化する時、経済的危機や環境問題も解決することでしょう。
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