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原点回帰とお客様満足の4つのレベル 2009年3月
浅 野 良 裕
先月は大不況=大変革期への対策として、コスト削減、資金資産管理、その他企業活動の全ての領域において原点回帰が必要であることをお話ししてきました。その原点回帰への視点として、最も大切なことの一つに、お客様からの視点、いわゆる「顧客満足度」があります。お客様が自社の商品・サービスに対してどのような期待を持ち、どのような満足、または不満足を抱いているかということです。これは4つのレベルに分けることができます。第1に「初歩的な期待・満足のレベル」です。これは社会人としての一般的なマナー、挨拶や約束を守ったり、社内の清掃ができているかどうか等、人間的な信頼関係を作るもっとも基礎的な部分であり、また仕事に対する前向きな姿勢や、用件の伝達や案内等誰でもできる簡単な業務ができているかどうかです。いわばどんな仕事にも共通な基礎的な部分ですが、意外とできてなかったりします。第2に「当たり前の満足のレベル」です。これはある商品やサービスが当然持っていなければいけないと社会やお客様から思われているレベルの品質、価格、納期等です。業種や特定の企業で変わってきますが、例えば車とか電化製品等の物であったら、その製品に基本的に備わっているはずの基本性能であったり、営業だったら商品知識等であったり、また飲食業であったら、食品の安全性や美味しさ、店でのサービスや待ち時間等の基本的要素が備わっていることによる、いわばお客様が当然に期待している「当たり前の満足」です。この「1」と「2」のレベルの満足は、いわば最低限の満足なので、これを満たさないといけないのは最低条件です。しかしこれからの時代はこれだけでは十分ではありません。さらにこの上を行く、第3の「お客様の期待以上の満足のレベル」が求められます。これまでの時代でもそうですが、プロフェッショナルである以上は、お客様が想定する以上の商品・サービスを提供するのがプロとしての役割ではないでしょうか。このように商品自体を進化させることができることこそが、お客様に感動を与え、仕事の中で成長し、お客様も自分も満足することができる仕事の内容になるのではないでしょうか。したがって原点というとき、「1」「2」に戻りそれを満たすだけでは十分でなく、「3」にレベルに達してこそ、お客様満足という視点からの本当の原点回帰であり、企業の原点=経営理念を日々実現していくことになります。経営理念こそが原点なので、少なくともこのレベルの経営理念を持つ必要があります。そして第4は「パートナー的な満足のレベル」です。「3」の満足を積み重ねていくうちに、この人があるいはこの企業がすることだったら大丈夫と思われるような信頼関係ができてきます。このようなある意味では仕事のレベルを超えたパートナー的な満足、信頼関係を創造し、これを常に進化させていくことこそ、これからの情報=ネットワーク社会のお客様満足の在り方=原点かもしれません。
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