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豊かさとグローバリゼーション ~顧客満足の新次元~ 2009年5月
浅 野 良 裕
クライスラーに続いてGMが破綻しました。前回の大不況の1931年以来77年間、世界のトップを走ってきたアメリカを、世界を代表する企業の破綻は、一つの時代の終わりと新しい世界の始まりを象徴しているようです。大きな車、住宅、電化製品に囲まれたアメリカ文化の豊かな生活、物質文明、お金の多さに価値を置く資本主義、自然を人間が使いやすいように改良していくための科学。このアメリカ的豊かさを世界に普及させようとしたグローバリゼーション。こういった世界が今変わろうとしています。物質文明で物質というとき、それは人間によって加工された物質、モノであり、自然そのものの物質、ものではありませんでした。自然を開発し人間の役に立つようにと思ってしてきたことが、逆に環境問題とか、健康問題を引き起こし生命の危機をもたらしています。それはものの一面しか見ない狭く捉われた心・固定観念の反映であり、結果とも言えます。つまり、物質・モノ自体を本当に理解し、大切にするのではなく、人間の欲求・心で支配しようとしてきた心の在り方そのものが問題だったわけです。その意味では、これまでは物質文明ではなく、心が支配する心の文明・精神文明であり、しかも視野の狭い、小さい心の文明であったと言えるかもしれません。人間そのものが自然の一部であり、周りの環境と一体でなければ生きられない存在である以上、意識をより広く・深く・大きく持ち、物質・自然そのものを大切にする時代、その意味では、これからが本当の意味での物質文明の時代と言えるのではないでしょうか。というよりも、物質とか、心の本質・捉え方自体が進化し、豊かさの質も、更に豊に、高次元のものとなるはずです。つまり物質的豊かさから心の豊かさへの変化ということではなく、物質的にも心の面でも、更に深く広い豊かさの次元が求められていくはずです。先月は、お客様満足のためには、潜在的ニーズの提案まで含めた多様なニーズを満たす必要があると申しましたが、この潜在的ニーズが、このような高次元の豊かさへのニーズとして、不況という変革期の始まりから急激に現れてきます。中途半端な品質ではなく、考え感じられる最高の品質。例えば食べ物なら、美味しいだけでなく、見た目も、匂いも、触覚も、健康にもよく楽しく元気になるというように。この場合、美味しいと感じる味覚の質、五感も変化し高度になっているはずです。しかし変化への過渡期である現在の大不況の時代には、旧来の商品の徹底的なコストダウン価格低下も必要です。旧来商品の徹底的な合理化、コストダウンと、飛躍的な最高レベルの商品開発が今求められています。不況で仕事が減り、時間がある今こそ、その時間を前向き有効に使い、固定観念を外し最高レベルの目標・想像力を使い、飛躍的に進化するチャンスです。人間の無限の潜在力への信頼と、意志、知識と方法により、眠れる90%以上の脳細胞と、DNAに点火し、すべての人が持っている創造力を開花することにより。
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