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第3のカエルへの道~井の中の蛙、茹で蛙を超えて~ 2010年4月
浅 野 良 裕
「井の中の蛙、大海を知らず」という諺は、考えや見聞が狭いたとえとして、古くから使われてきました。しかしこの諺の理解は、井戸という狭い世界に居ればその狭い世界だけは分かるかというと、そうではなくて大海どころかその井戸さえも(井戸の中だけしか)、分かっていないということが重要だというお話を以前にしました。なぜこういう話をするかというと、自分の仕事だけに閉じこもりそこで固まって、自分の仕事は一生懸命頑張ってやっており、仕事は分かっているのだと言う人が多いように思えるからです。今事業仕分けが問題になっていますが、自分の仕事を客観的に外部の視点から見ることができないと、事業仕分けの質問に対して、なぜ言われるのか全く理解できず、適切な解答ができなくてコミュニケーションもとれないからです。これは個人の仕事だけでなく、企業や国家レベルでも言えることで、最近では日本の製品・市場や法制度等の状況が世界とかけ離れているため、日本がガラパゴス化しているとも言われています。日本のマスコミ情報も世界の情報が乏しく、また何か外国で問題があっても日本人の安否情報が極端に優先されるのは、正に井の中の蛙状態と言えるのかもしれません。もう一つの「茹で蛙」は最近では経済用語にもなってきているようですが、これは熱湯に入れられればすぐにびっくりして逃げ出す蛙も、ぬるま湯にいてゆっくり湯が熱くなってきてもまだまだ大丈夫と思い湯から出ないため茹でられて死んでしまうことからのたとえで、ぬるま湯的環境で危機意識がない人等への警鐘となっています。しかし井の中のぬるま湯の状況では言われても分からないかもしれません。環境問題等は地球規模での井の中・ぬるま湯状況かもしれませんが。井の中は空間的に狭い世界で、ぬるま湯から熱湯への徐々に進行する変化は時間的な世界を表していますが、これらの状況から抜け出すには、広い視野と歴史的な視点を持つ必要があります。そして今の状況を変化させる、進化させることができると信じることです。その時、蛙は新たな第3のカエルへと進化していきます。カエルは、変える・換える・代える・替える・返る・帰る・還る・孵る等の意味があり、意識的にものの見方をこのように変化させていく時、変化は始まることでしょう。別のものや相互に換える、代える、替える。昔や違った状態に返る。原点や元に還る、帰る。卵の状態から成長して孵る等々。原点に還るのがなぜ重要かと言うと、我々の前には既に原点から変化してきた結果の世界が広がっており、原点は直接見えていないからです。(原点からずれる)仕事においても、材料や方法をまず別のものに換えてみることにより世界は広がり、自分の中に変化が起きてきます。すると自分の行動も変わり、それに連れて環境も変わってきます。多くの人にこうした変化が起き始めると、周りが変わり、組織・企業が変わり地域が変わり、国家や社会、世界が変わり進化していくことでしょう。またカエルは果恵流とも書けます。果実の果、真理を知る精神としての恵、全てが変化していく流であり、狭い世界に留まらないで、自然の流れと原点の真理を知る知恵の流れに身を任せる時、結果は豊かな果実として実ることでありましょう。
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