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経営改善・改革の5つのステップ~課題発見から課題解決へ~ 2011年4月
浅 野 良 裕
3.11以降経営環境も更に厳しさが増し、経済の津波とも言えるような波が当初は自動車産業を中心に押し寄せ、他の業界にも時間差で次々に押し寄せて来そうです。しかしこの波は震災によって誘発されてはいますが、より大きな視点で見ると、リーマンショック以降の経済構造の変動の大波の一部として見る必要があるのかもしれません。環境適応業としての企業は、この変化に適応して変革していく必要があります。そこで今月は、経営の改善・改革を行っていくプロセスを、5つのステップに分けて観ていきます。第1ステップは改革すべき課題の発見、第2はその課題・問題の真の原因探究したうえでの、目標・戦略の明確化、第3はその戦略をもとに実行するための戦略的中期経営計画の策定、第4に、中期経営計画を更に具体化した年度計画に基づきこのPDCAサイクルを回すこと、そして第5に課題解決となります。第1の課題の発見のステップは、人間の体でいえば健康診断・人間ドックでの評価・診断のステップに似ています。標準的なあるいは理想的なモデルに比べて現在の企業の状態のどこに問題があるかを調べていきます。もちろんこのような体系的な評価をしなくても日々の企業活動の中で問題、課題は経営者にとっては意識されることでもありましょう。標準化する場合、数値化して見るのが一般的で、企業評価の場合は財務的な数値で見るのが普通です。いわゆる財務分析と言う手法を使い、収益性や安全性、生産性等を見ていきます。評価という意味ではこれでかなりの程度可能かもしれません。しかし経営改善のための評価となると、これでは根本的に不十分です。利益率が悪く収益性が低いと言っても、なぜ低いのかが分からなければこの改善ができないからです。商品・サービスの品質が問題なのか、営業力、開発力が低いのか、コストがかかりすぎるのか等、具体的な業務内容、企業の実体にまで踏み込む必要があります。数字での評価は、結果は表しますが、その結果を造った過程・プロセス、行動は分からなく、また数字はいわば影みたいのもので、実体をかなり正確に反映するものですが、実体そのものではないからです。健診の数値が身体そのものではないように。経営全体の品質を改善し、企業をより良いものにしていくためには、この課題発見のステップで、企業の実体、全体像を概観していく必要があります。このための方法として、我々は企業の概要を次の6つのカテゴリーから観ていきます。①基本的な意識構造(経営理念、価値観、企業文化、大切にしてきたこと等)②お客様が求めている価値、対象となるお客様は?③商品力、ライバル・業界の動向④経営資源(人材、ノウハウ、技能、設備、販路等)⑤ビジネスパートナー(仕入先、提携支援先、地域等)⑥変革への意志、経営課題、経営戦略経営者の方がこれらを明確にすることは、企業の自己評価にもなると思います。
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