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経営改善・課題発見と企業の概要~意識と行動、習慣の変革~ 2011年5月
浅 野 良 裕
先月は経営改善のための5つのステップと、企業評価の1つの方法として、企業の概要を6つの側面・カテゴリーから観ることをお話ししました。6つの中での第1は、企業や経営者の基本的な意識構造(経営者の意識、経営理念、企業文化等)でした。業績が悪くて経営改善・改革が必要な場合、連結グループ会社の子会社等では、経営者が交代するとか、多店舗展開しているチェーン店の場合には、店長の交代をするとか、トップを交代させます。これはそれだけトップの存在の比重が企業において大きいことを現わしていると言えます。しかし多くの同族の中小零細企業の場合は、簡単にトップの交代というわけにはいきません。したがって、業績が悪化した企業の改善のためには、経営者自身の意識を変えること、そして企業の行動や習慣を変えることが重要になってきます。経営者が自らの意識を変え、また行動、習慣を変えるためにはどうしたらよいのでしょうか。人が自分の思考パターンや習慣を変えることは、特に何十年も経験し、成功体験を重ねてきている場合には、難しいかもしれません。しかしオーナー経営者の場合、企業の業績は即自分自身の生活に影響するため、自己変革をし、成長するためには良い環境にあると言えるかもしれません。そして環境の変化に適合し、自らが気付き、変化していくためには、常に自己変革していくためのコツ・方法を持っている必要があります。これは誰か本当に信頼できる人に相談するとか、自分の意識・行動を客観的・大局的に見つめ、進化・深化させる方法を行っているとかです。企業概要の6つのカテゴリーを自己評価と言ったのは、この自ら気付くための道具・ツールの一つとして考えているからです。よく「改善のヒントは現場にある」と言われますが、お客さまこそが現場そのものであり、ドラッカーも言うように「企業の目的は顧客の創造」にあります。お客様のニーズ、求めるものを提供し、お客様に満足していただくためには、どのような商品、サービスを創造したらよいかを、徹底的に分析評価することが、第2と第3のカテゴリー、顧客価値商品力、ライバル、市場動向になります。お客様が求めていると言っても、具体的に直接表現されていることだけでなく、潜在的なニーズを発見・引き出し、それを満たす商品・サービスを開発することが重要です。例えば、飲食業では、単に味だけでなく、安全や健康、香りや色、形、メニュー構成、季節の変化、接客サービス、料理を出すタイミングや出し方、身のこなし、会話、食器や椅子、テーブルから店舗の設備、雰囲気等々、考え、実現することは山ほどあり、それらすべてがバランスよく整えられ、お客様の期待以上の品質レベルが常に維持されることが求められます。料理職人を超えたプロフェッショナルとしての飲食経営です。そしてこれらの商品提供する力としての商品力や営業力。さらにこれらのもとである経営資源や業務プロセス、企業を支えるビジネスパートナー、サポーターの検討が第4、第5の側面であり、これらをトータルに把握したうえでの方向性、目的、戦略が第6のカテゴリーとなり、企業活動と経営者としての自己評価、変革へのステップの始まりです。フォーマットを添付しますので試してみてください。
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