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生産性向上・ドイツの例
先月は働き方改革で生産性の向上について述べました。生産性・時間当たりの付加価値をいかに向上させるか、つまり時間を減らし、付加価値を上げることについて一般論を述べました。今月は日本と経済条件等が似ており、生産性の向上で成果を上げているドイツの例を参考にして観ていきます。
上記のように日本は人口ではドイツの1.53倍ですが、GDPでは1.25倍、つまり1人当たりGDPでは逆にドイツが日本の1.23倍と逆転しています。さらに就業者あたりの就業時間はドイツの方が短いため、時間当りのGDPでは2/3にも満たなくなります。
日本とドイツは物作りが得意で、国民性も真面目、少子高齢化も進んでいるというように共通点も多いのですが、生産性の面では大きな開きができてしまいました。
バブル崩壊後日本は長い低迷期を続けましたが、ドイツも1990年代は東西ドイツの統一以降経済は低迷していました。競争力が落ち、失業者があふれ、低成長で財政赤字も増え「欧州の病人」と言われた状態から脱し、特にリーマンショック以降は、日本とは逆に財政も黒字化し生産性も向上しGDPもEU平均を上回る率で伸びています。
長時間労働、過労死、ブラック企業が問題になることなく、短い労働時間で、年間150日休み、夏休みは2週間以上休む中でなぜ可能なのでしょうか。
1つは情報の共有です。1人が2週間休みお客様サービスが低下しないようにするには、個人で業務を抱え込まず、組織として対応する必要があり、そのためには情報の共有が不可欠です。ファイリングの方法やサーバーの管理、必要十分な情報提供が個々人に要求されます。
2つ目。短時間で業務を処理するためには、仕事の目的、品質レベル、費用対効果、最善の方法等業務内容を徹底的に検討し、無駄なことはしない合理的な行動が必要です。時間をかけないで成果を上げる成果主義やフレックスタイム制の導入も進んでいるようです。
3つ目。ワークライフバランスを考え、家庭生活やリラックスタイムを大切にすることは、仕事面での創造力を高めより質のよい仕事を生み出すという好循環になってきているようです。
個人主義的な生活と、それを可能にする組織的な行動、その基盤となる社会の意識や法令等によるサポートは、学ぶべきことも多いと思います。
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