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2019年の転換期 ガラパゴス日本とSDGs
今年の流行語大賞は「ワンチーム」が選ばれました。ラグビーの日本チームは、多くの国から集まった個性豊かな個人の集まりとして、一丸となってワールドカップで活躍し、人々に感動をもたらしたことが評価されたこと、また時代の要望にも合ったのでしょう。「多様性の統合」がキーワードですが、そのために高い目的・目標の明確化、個々の役割の理解、コミュニケーション、本気の厳しい訓練が必要です。先月お話しした個性の発揮と同じで、これと反対に我流は自己中心的な狭い目標、不明確な役割分担、コミュニケーションの欠如、無責任な態度から来ます。これは小さな組織でも、国家レベルでも、グローバル・地球レベルでも同じですが、いかに視野を広く持つかがカギとなります。
平成に代わった30年前はベルリンの壁が崩壊し、東西冷戦が終わり平和への期待が膨らんだ年でした。しかし今年は逆に米中対立や国家主義の台頭で、経済的な停滞や格差の拡大、戦争への不安が感じられる年となってしまいました。また気候変動による災害リスクの拡大、AI、バイオ技術等による社会の変化はプラス面マイナス面を含め、人類の文明に大きな変革を迫っています。
これらの課題は個人や一企業、一国家だけで解決できる問題ではなく、グローバルな視野と行動が必要な問題であるとともに、個人や個々の企業の活動の大きな変化、飛躍、進化が必要になってきます。まさに「ワンチーム」として動く必要があります。これらの問題が現実に発生した場合、個人の生命や生活、企業、国家の存続にも関わります。日本でもようやくSDGsが話題になってきました。持続可能な開発目標、持続可能性が、個人でも、企業でも、国家でも、人類でも課題になっています。
このような環境の中で日本は、GDP・経済力だけでなく、未来を担う学生の学力も読解力を始めとして世界レベルで低下しております。このため語学の能力や創造力を高めるために大学入試の改革(語学での民間教育機関の活用、国語、数学の記述式問題の導入)を行おうとしてきましたが、種々の問題点が発覚し、躓いています。
「教科書が読めない子供たち」「ケーキが切れない非行少年」が話題になっていますが、国権の最高機関であるはずの国会が今のような状況では、この先どうなるのでしょうか?
最近の日本は、世界的な常識から遅れており、改革しようとするときには周回遅れで環境も変わっており、海外の例をそのまま導入するとかえってうまくいきません。ガラパゴスが世界の環境の影響を受けずに存続し得たのは、それができる自然環境だったからであり、グローバル時代の文明には通用しません。
50年前の1969年、人類は月に降り立ちました。ガガーリンが初めて有人宇宙飛行をしたのが1961年でしたので、わずか8年で月に行けるようになったのです。目標を決め、チーム一丸となって推進すれば不可能と思われることも人類は実現してきました。これは個人でも、企業でも同じでしょう。しかし変化には痛みも伴います。時には手術も必要かもしれません。それらを乗り越え、船に乗り遅れないために。
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