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コロナ危機と人類の変容
季節は春の真盛り、温かい春の日差しに、花々や新緑が美しく、生命の躍動に心も踊る季節ですが、人間社会は新型コロナの脅威に慄いています。生命、経済、生活の危機・変容は1か月前よりも進展し、全国的に緊急事態宣言も発動されました。
先月は具体的なコロナ対策について書きましたが、1か月たっても対策はあまり進展せず、医療崩壊や経済恐慌が残念ながら現実のものになりつつあります。医療システム、政治・行政制度、経済システム、個人個人の行動等の全面的な変容が必要でしょう。
ワクチンや治療薬の開発には1年以上かかりそうですし、今の対策のスピード感では長期戦を覚悟しなければならないでしょう。
そこで今月はウィルス対策について、より本質的、長期的視点から考えてみます。
ウィルスは細胞を持たないという意味では生物ではありませんが、蛋白質の外皮に包まれた遺伝子を持ち、宿主の細胞に入って生物と同じように増殖するという意味では生物です。無生物と生物の中間的存在ですが、無生物→ウィルス→生物と進化が進んだわけではなく、高等生物の細胞遺伝子が分かれて生まれたようです。
通常遺伝子は親から子に移りますが、これだと同じ遺伝子なので突然変異以外では進化は起こりにくく、ウィルスのように別系列の遺伝子から横の移動によって他の細胞に入ると別種の遺伝子が入るため進化が速くなるといわれています。つまり生命進化の歴史を速くするためにウィルスは生まれてきたと言えるかもしれません。
ウィルス、感染症の歴史は、人類の歴史とともにあると言われていますが、特に大きなパンデミックの後には人類の歴史は大きく変容していきました。14世紀のペストの流行の後には、ルネッサンスが起こり、中世の時代から近世、近代世界へ転換してきました。
今また、コロナ前(BC)コロナ後(AC)と言われてきています。テレワーク、在宅勤務等によりデジタル情報革命が進み、働き方や生活様式そのものが変化すると言われています。また政治的経済的には、地方分権や国家・地方レベルの自給化等です。
しかしながら注意が必要です。コンピューターの中にもウィルスはいるし、太陽フレアの爆発が地球方向に向かえば、デジタル情報は一瞬で消滅するかもしれません。ウィルスも見えませんが、デジタル情報も直接には目に見えません。どちらもブラックボックスの中で、ウィルスも知らないうちに変異していきます。
ウィルスの感染は今後も発生するでしょうし、自然災害等も含めこうした脅威と変化に対して、科学はどの程度有効なのでしょうか。専門的な知見以外に、個人個人の創意工夫、リーダーの先見性や決断力が必要になってくることでしょう。
コロナ危機に対処するためには、個人、家族、地域、医療機関、企業、社会的インフラ、行政、国家、国際的協力等、個々人から世界レベルまでの様々な分野での自立的な行動と共同作業が必要になってくることでしょう。
企業もビジネスモデルの再構築とともに、経済活動存続のために、今こそ国家の援助を遠慮なく求めることも必要ではないでしょうか。生命を守る医療体制、経世在民・経済を守る支援体制の構築こそが国家存続の最大の目的でしょうから。
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