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経済政策とコロナ後の世界 成長戦略会議
政府は2050年までに温室効果ガスの排出を0にすることを宣言しました。この目標は世界では既に120カ国が先行して動いており、欧州では法制化している国もあります。
近年の異常気象、気候変動や、エボラ、サーズ、マーズ、コロナと新型ウィルスが多発して発生する原因と言われる地球温暖化対策として、世界196カ国が参加して採択されたパリ協定では、「産業革命以降、1℃増加した世界の平均気温を21世紀後半までには1.5℃増加にまで抑えること」が目標として掲げられています。そしてこのためには温室効果ガスの排出を0にする必要があるわけです。
かつて日本は、リチウムイオン電池、太陽電池、排ガス技術等、環境分野では世界でトップの技術を持っていました。しかしこの10年程の間に世界的な技術革新で追い抜かれ、引き離されてしまいました。
温室ガス0目標の達成のためには、技術革新だけでなく産業構造やライフスタイル等、社会全体の大きな変革が必要です。先行しているEUの計画では「エネルギー部門の急速な脱炭素化」「既存建物の大規模改修」「クリーンな輸送」「持続可能な食糧システム」等が盛り込まれ、87~93%を省エネや排出削減で、7~13%を植林などによる吸収で達成しようとしています。
衣食住、エネルギー、交通等すべての生活次元での変革、意識改革、そして教育や働き方、社会制度、法律等の抜本的な改革が必要でしょうが、具体策はまだこれからです。
30年先までに本当に実現するためには、少なくとも5年後、10年後までに何をするかの具体的政策が必要です。
政府の経済財政政策に関して、経済財政諮問会議があり、その下に具体策をまとめるための未来投資会議がありましたが、これが成長戦略会議に代わりました。
この8人のメンバーの中心になるのが竹中平蔵、デービット・アトキンソンと言われており彼らの考え方が具体的政策になっていくと思われます。それは日本の成長が遅れてきたのは、中小零細企業の生産性が低いからであり、生産性を高めるために、中小企業を再編し中堅企業に成長する企業と、淘汰される企業とに整理していこうという考え方です。
これは地方銀行の再編とセットになっており、地銀の再編に伴い中小企業に対する選別、貸し渋り等が行われるかもしれません。
そもそも中小企業の生産性が低いのは、その働き方、生産の方法に問題があるだけではなく、製造業や建設業では元受けと下請けの関係、フランチャイズの本部と加盟店との関係等、取引関係自体の力関係や、大企業では採算が合わない分野を外注化するという問題もあり、一概に企業規模を大きくすれば解決するという問題ではないでしょう。
またコロナ後の世界は、大量生産、大量消費、大都市中心というよりは、地方分権で、環境負荷をかけない個性的で本当に良いものを長く使う生産消費体制になり、むしろ中小企業に適応する社会構造になるかもしれません。世界的にコロナの第3波も拡大しておりこれからが正念場です。危機を本質的な変化へのチャンスととらえ頑張りましょう。
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