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日本の没落と世界の再生
今年発表された国際ランキングで日本は昨年よりさらに低下した。国際競争力は35位に、ジェンダーギャップ(男女格差)では125位と最低レベルに低迷している。この2つの指標は相関関係にあり、ランキング上位の北欧諸国はこのどちらも高い位置にある。このことから多様性の社会においては、女性的な発想を活かせないと、経済的等の面でも伸びないと言えるかもしれない。
またJAXAによる新型H3ロケットの失敗、国産旅客機の開発断念、マイナンバーカードのトラブル、インボイス制度の問題等、日本のモノ作り、科学技術の根幹を揺るがすような問題が次々に起こっている。そして月面着陸も中国、インドに先行され、科学技術の論文や成果、産業化等の分野でも世界から後れを取っている。
この30年間の没落の原因を考えると、一つはこの社会の枠組みを作る政治の要因が挙げられる。民主主義国家と言われるが、これが機能するためには国民がそれぞれ自分の頭で考えて、選挙等で意思決定する必要がある。しかし投票率が低いうえに、いまだにお上意識があり、自分たちが主権者であり、政治を変えられるという意識が低い。
言論の自由のランクも低く、ジェンダー差別も強く、人権、環境意識が弱く、このため社会全体も新しい課題に向き合えず停滞している。
二つ目は、それを実行している人間の育成、教育の問題である。何十年も以前から言われていることであるが、この国は知識の詰め込み教育が優勢で、考える力の育成を怠ってきた。このため指示されたことは行うが、自分から課題を見つけて改善したりしない。政府やマスコミの言うことを考え無しに信じてしまったり、ネット情報を根拠なしに疑わなかったりと、何が真実、事実かも分からなくなってきている。指示待ち人間、考えない人間では、何事にも意欲がわかず、進化創造は達成できない。
このままでは国際的地位が低下するどころか、AIの時代にはAIの奴隷になりかねない。
最近やっと自由研究等の授業も行われているが、「授業」という言葉自体も授ける、授けられるの関係で、固定観念を取り払い、自由な創造力を開放するには制約となっている。
また授業内容が政府の指示により規制されていたら、形ばかりは授業内容を変えても、個人個人の個性を開放し、自立的な創造力のある人を育てるのは難しい。初等、中等、高等教育の全ての分野で、開かれた統合的な教育研究の仕組みが必要であり、高等教育においても研究費の自由裁量、リベラルアーツの拡充、リカレント教育等を実現する必要がある。
日本再生のためにはこれらの実現は最低条件であろう。
しかし世界全体も戦争や、気候変動、環境危機、生物種の絶滅危機、食糧資源危機、格差の進展等多くの課題を抱えており、ただ単に国際的競争で優位に立つことだけでは日本の再生自体も行えない。
こうした問題は平和憲法、災害大国、経済停滞等日本が最も先進的に直面している問題でもある。これらの課題を広い視野から克服していけば、日本は再生するとともに、世界の先頭に立ち、地球再生のリーダーとなることができるのではないだろうか。
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