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言語と現実、生成AIと人間
前回はAIを意識的に手段として使うか、AIに無意識のうちに使われてしまうのかについて書きました。AIを使うためには、一つにはAIの表現する言語や画像認識等がどのようなプロセスから生み出されてくるかを知ることが必要です。
そしてさらに重要なのは、AIを使う目的を俯瞰的かつ体系的重層的に理解していることです。この後者が不足していると知らないうちにAIの世界の中だけで生きることになり、AIに使われているだけの存在になっているかもしれません。
AIは道具として使えば非常に強力なので、これを使えるかどうかで経済面でも政治面等でも大きな格差が生まれます。格差、分断はこれを制御できなければ大きくなり、危機は深まることでしょう。今から約半年前に、AIの研究者や技術者、イーロンマスク等の実業家が、ChatGPT4より能力の高いAIシステムの開発を一時停止するよう公開書簡に署名しましたが、これもAIの危険性を訴えるものでした。
しかしAIによる人類滅亡の危機も、すべての人間がAIを使いこなせるようになったら解決するかもしれません。
AIは大量の言語データを処理します。言語は他の動物にない人類特有の能力と言われていますが、この本質を探るため、人間の赤ちゃんとチンパンジー等の動物との比較実験が行われます。例えば、リンゴという言葉と現実のリンゴとを結び付けることは、人間の赤ちゃんは簡単にできますが、大半のチンパンジーはできないとか。またチンパンジーは既に知っているものにばかり興味を示すが、人間の赤ちゃんは知らないものにより興味を示し、人間は好奇心旺盛で変化を好むことが分かります。
人間の赤ちゃんは日々成長進化していきますが、大人になって新しいことに興味を示さないのは退化しているのかもしれません。固定観念に縛られて新しい発想が生まれてこなかったり、古いシステムや法律が変えられなかったりするのも、教育システムが硬直化しているのも、経済的低迷、失われた30年の本当の原因かもしれません。
また言語を学習させるとき、人間の赤ちゃんは報酬が無くても喜んでするのに、チンパンジーは餌という報酬がないとやらないようです。仕事も報酬だけが目的では、いい仕事もできず楽しくなく報酬も上がらず悪循環になりますね。
言語とその元にある現実を考えるとき、個人はすべての現実を体験することはできないので、他者が体験した又は言っていることを信じることが土台にあります。この意味では言語体系、国家、社会認識等は一種の仮想空間のようなものです。集合(無)意識、共同幻想と言っていいのかもしれません。
我々はいくつもの重層的な集団に属しているので、そこでの常識、文化を無意識的に習得していき、それを基準に判断してしまいます。戦争ではそれぞれの国家が正義を主張して戦いますが、これを乗り越えない限り人類の進化はないでしょう。個人、家族、企業、国家、人類、生物等様々な階層意識を超える意識が、現在の人類地球の危機を乗り越えるために必要ではないでしょうか。これらの階層意識は過去の人類史を含めて、個人個人の潜在的な意識の中に含まれており、思い出せば解決するかもしれません。(裏面へ)
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